事業紹介

●鍛造とは
「タンゾウ」という言葉をみなさんは、あまり耳にしたことがないと思います。鍛造とは字のごとく「鍛えて造る」ということですが、「鉄は熱いうちに打て」と若者の教育論にも使うように、鉄を高温にしてたたくことにより鍛えると同時に、任意の形に形状を変えることをいいます。身近なもので例えてみると、温かいご飯を手で握ると、バラバラであった米粒がひっつき、「おむすび」という任意の形状の固体になりますが落としたりすると簡単にバラバラになってしまいます。しかし、同じお米でも、蒸して、臼と杵で打つことにより「お餅」という固体になります。これは落としたぐらいでバラバラになったりしません。この様にたたくということで固体の中の隙間をなくして一つの強い固体にし、また熱い内であれば容易にいろいろなかたちにも変えることが出来るということです。これと同じように金属塊をたたく(鍛錬)ことにより鋳造時に生じた泡、ガス(気孔)を圧着させ結晶粒を微細化し、金属組織を改良し機械的性質を改善し、同時に目的の形状を作り、機械加工を省略又はその工数を減らすことが<鍛造の目的>なのです。

●写真解説
鉄は熱いうちに打て 鉄は打ってはじめて強くなることは昔から知られており、「鍛冶 かじ」または「火造り ひづくり」といわれていた。現在の「鍛造」である。
(創業者 森脇要;刀匠名 伯耆国森脇正孝)
●鍛造品の特徴
鍛造品は機械構造部品の基礎である。その主な特徴は
1、材料の節約。製品の最終形状に近い形状、寸法に成形される。
2、工作機械による切削工程が省略または節減できる。
3、切削加工の困難な形状のものが量産できる。
4、金属組織が緻密となり、内部欠陥がない。
5、引張り強さ、硬さ等の機械的性質のばらつきが少ない。
6、製品形状に沿った鍛流線(メタルフロー)が得られる。
7、寸法のばらつきが少ない。
以上のような多くの特徴を持つ鍛造品は強靭で信頼性が高く、安価な素形材として、幅広く機械構造部品に使用され、他に代えがたい素形材であると言われています。

鍛流線(メタルフロー)の比較

クランクの鍛流線


鍛造品
鍛造品
(形状にそった鍛流線)
削りだし
鋼材からの削り出し品
(鍛流線が切断されている)
鋳造品
鋳造品
(鍛流線なし)

歯車素材の鍛流線



型鍛造したもの
棒材から型鍛造したもの

旋削したもの
棒材から旋削したもの

歯の根元から頂部に至るまで鍛流線が切れていないから、反復曲げ応力に対して強い。
歯の側面に鍛流線が平行であるから、反復曲げ応力に対して弱い。

●鍛造品の用途
鍛造品は、あらゆる産業や身近な日常生活の中で貢献しています。自動車では、トラック、バスから軽乗用車まで、幅広く用いられ、特にF1レースやラリーなどの過酷な競技には、その使用範囲はさらに拡大されます。又、競技といえばゴルフトーナメントでも、プロが愛用するクラブのヘッドのほとんどは鋳造品ではなく鍛造品が使われています。その他、航空機や鉄道などの最重要保安部品には、ビスの一本一本まで鍛造品が使われていると言っても過言ではないでしょう。この様に身近なものから最先端技術まで鍛造品がなければ成り立たないと言うことがいえるのです。